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交通事故被害相談@池袋

死亡事故における死亡慰謝料

  • 文責:所長 弁護士 田中浩登
  • 最終更新日:2021年1月20日

1 死亡慰謝料の基準

交通事故で、被害者が残念ながら亡くなってしまった場合、その精神的損害に対する慰謝料として死亡慰謝料を請求することができます。

そして、その慰謝料の金額は、保険会社の提示のままだと本来受け取ることができる額よりも低い額となってしまう可能性があります。

2 各基準について

⑴ 自賠責基準

自賠責基準とは、自賠責保険から支払われる保険金の基準をいいます。

自賠責基準の場合、死亡慰謝料は、死亡した本人とその遺族で別になっています。

死亡した本人の慰謝料は400万円(令和2年3月31日以前に発生した事故については350万円となります。)、遺族(被害者の父母、配偶者及び子)の慰謝料として請求者1人の場合は550万円、2人の場合は650万円、3人以上の場合は750万円、被害者に被扶養者がいる場合はこれに200万円が加算されます(参考リンク:国土交通省・自動車総合安全情報・死亡による損害)。

⑵ 任意保険会社基準

任意保険会社基準とは、相手方の任意保険会社が提示する際に使用される保険会社内の基準のことをいいます。

保険会社が被害者の方に提示する損害賠償案に、内訳として「弊社基準にて計算いたしました。」などと記載されていることがよくありますが、実はその基準は公にはされていないことがほとんどです。

保険会社からご遺族の方へ提示された損害賠償案を見せていただいたことは何度かありますが、自賠責基準よりは高い金額ですが、後述する裁判所(弁護士)基準と比較すると6割程度の低い金額で提示されているケースが多いようです。

⑶ 裁判所(弁護士)基準

裁判所(弁護士)基準とは、損害賠償金の支払いを求めて民事裁判を行った際に裁判所が用いる基準のことをいい、弁護士が代理人となって相手方やその保険会社と交渉する際も同じ基準を用いて交渉します。

この基準は、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という本(通称「赤い本」)に記載されており、一家の支柱(家族を扶養している人など)の場合は2800万円、一家の支柱以外の配偶者(主婦・主夫など)の場合は2500万円、子どもや独身の方の場合は2000万円から2500万円となっています。

なお、自賠責基準と異なり、上記金額は被害者本人の慰謝料と遺族の慰謝料を合わせたものとなっています。

もっとも、事案の悪質性やその他の各事案の具体的事情から、この慰謝料の額が増額されることもあります。

3 保険会社から死亡慰謝料を提示されたら

正当な額の死亡慰謝料を支払ってもらうことは、事故の相手方に被害者の死という重大な事実を正当に評価してもらうことと同じです。

知らずに保険会社から提示された金額のまま示談し、不当に低い金額だったと後悔するのではなく、提示された金額が妥当かどうか、示談前に事前に弁護士へご相談いただくことをおすすめします。

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